らいふいずたのしもーる!

海外協力隊 2019年度2次隊 東ティモール派遣 日々の思いや奮闘経過をレコーディング。

避難一時帰国その①~HOTEL THE FLAG 編~

 

緊急帰国からの暗黒ニート生活を送る中、大阪府看護協会が募集していた宿泊療養対応ナースに応募。勤務が決まったのはいいけど、同居する家族のことを考えると、実家から宿泊施設に通うリスクに不安を感じてて、勤務期間中は自費でのホテル生活を考える。そんな時、大阪府のホームページで医療従事者向けのホテル宿泊一覧の中でHOTEL THE FLAGさんが無償提供していることを知る。

 

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 東心斎橋に位置するHOTEL THE FLAGを運営するホテルザフラッグ株式会社は、大阪府が軽症者向けの宿泊療養施設としてホテルを確保したことを受け、軽症者とは別に医療従事者の宿泊専用のホテルが必要なのではないかと考えた。ホテルとして異なる形での社会への貢献ができればと、宙とぶペンギンプロジェクトを立ち上げ、寄付型クラウドファンディングで資金調達を開始。公の資金を使わず、民間の力だけで医療従事者へのホテル無償提供を実現させ、「#医療従事者にホテルを」とSNS等でプロジェクトへの賛同を全国のホテルにこの取り組みが連鎖するよう呼びかけた。

 

宿泊可能期間:2020年5月13日~2020年6月12日

宿泊可能日数:最低7泊~1ヶ月

依頼期間:2020年5月20日~2020年6月12日

  

第1弾としてHOTEL THE FLAGの無償提供が決定し、2020年4月24日(金)にプレリリースでネット上で募集開始、私が気づいたのは暫く経ってからで、滑り込みで予約完了。予約した直後、ホームページ上では用意していた100室が全て埋まっており、ニーズが多いことを痛感。第2弾は東京江戸川区で開始、第3弾は大阪市天王寺、第4弾は大阪市中央区のホテルでとプロジェクトが広がっていった。

 

ホテル側から予約返信メールついでに、「#医療従事者にホテルを」のプロジェクトの電話でのインタビューに協力してほしいとの取材依頼がくる。無償で約1ヶ月もの間お世話になるわけだし、少しでも協力できればと、取材依頼を引き受ける。最初は電話インタビューや言うてたのに、自宅に来て両親の思いも聞きたいとか言われて、親を巻き込むのは困ると思い、電話取材のみでお願いと押しきる。翌日の夕方にはインタビューを受け、その日の報道ランナーで短い時間ではあったけど放送。風評被害のリスクも覚悟の上で、いち早く医療従事者のためにホテル事業としてできることは何か考え、行動に移し、実現させるパワーにただただ頭が下がる思いよ。

 

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2020年5月20日。キャリーケースを押しながら久しぶりの戎橋。ホテル生活開始当初は大阪府京都府兵庫県は緊急事態宣言が解除になっていなかったから、繁華街の中にホテルがあるのにも関らず静か。それでも日中は人通りが増えてる感じではあったな。関西はいかにインバウンドで人が多くて経済が回っていたか実感する。商店街歩いてても、中国語や韓国語がほとんど聞こえず、ドラックストアも閑古鳥が鳴いてて、新型コロナウイルスの影響が見える形で表れてた。

(5/21に大阪府京都府兵庫県は緊急事態宣言区域から解除。5/23の0時から休業要請も解除となり、飲食店は以前のように営業できるよう。5/25には全国的に緊急事態宣言が解除。)

 

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※正面玄関は閉鎖。お洒落な外観で、鰻谷にこんなホテルがあったとは。 

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※2Fの女子トイレに入ってビックリ!こんなオシャレなトイレ知らん~!

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※開放的なフリースペースは、普段は映画鑑賞とかもできちゃうスタイル。

 

想像以上にお洒落なHOTEL THE FLAG。宿泊期間中は、正面玄関は閉鎖しているため、スタッフ出入口からの入退出。1Fは駐車スペースで、一般の人が主に利用している感じ。2Fは、フロント・レストラン・ランドリールーム・本やコーヒーが完備、フリースペースがあって、スタイリッシュでオシャレな空間。調べたら、数々のデザイン賞を受賞していて、直近では2019年にドイツ国際デザイン建築賞「ICONIC AWARDS 2019」のインテリア部門で受賞。PROCESS5さんがデザイン担当しており、インテリアとか空間デザインの参考にすごくなる。

 

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客室は3階から8階まであって、恐らく3階から6階までの客室が無償提供対象客室。

各フロアの エレベーター前には各種回収BOXやアメニティが設置されていて、完全フリースタイルで何て気が楽なシステム。ドリップコーヒーは勤務の度に拝借。紙コップのデザインがいちいち可愛い。紙コップの写真は完全に撮り忘れていた。

 

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部屋はスタンダードダブルを用意してもらい、170㎝幅のクイーンサイズベッド。バスルームはバスタブはないものの、レインシャワー付き。部屋面積18.9㎡、40型液晶テレビ付き快適過ぎる。アメニティもルームキーのデザインもシンプルで、ホテルの名前が入ったマグもいちいち可愛い。普段は、ホテルのオリジナルグッズも販売しているみたいで、ホテルのオリジナルポストカードは購入しておきたいところ。

 

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※フロントで言うて購入。色付けよ~絶対可愛い♡オリジナルポストカード¥150  

 

それから、これは本当に嬉しかったやつ。日替わりで1日1回、野菜たっぷりのスープを提供してくれる優しさ♡ほんで美味しいの。他にもプロテインドリンクにどら焼きとか、他の企業や個人からの支援もあったようで、それを惜しみなく提供してもらい至れり尽くせり。日替わりスープが毎日の楽しみになっていた宿泊者は私だけではないはず。仕事を終え、朝ホテルに帰り、スープが残っていた時の喜びよ(笑)

 

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 ※ほんの一部だけど、シェフが作ってくれるスープが本当に美味しかった。

 

約1ヶ月の宿泊は、あっという間に過ぎ去り、本当に快適に過ごすことができた。感染予防の視点から完全セルフサービスってのが最高。水も自由に貰えるし、部屋にスタッフが入ってくることがないから気楽だし、このプロジェクトを立ち上げ、システムを構築したスタッフ皆々様が素晴らしすぎる。チェックアウト後、アンケートの協力依頼がメールで届き、感謝の気持ちを込めて丁寧に回答。後日、ホテルのホームページにアンケートの集計結果を公表しており、コメントも全て載せていて、何とマメなの。ホスピタリティー溢れるサービス提供ができる細やかさ、こういうマメな作業を惜しみなくできちゃうところが、ホテルの質に反映されているんやと思う。本当、良いホテルを知る機会にもなった。

 

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TO ALL HEALTHCARE WORKERS

THANK YOU FOR YOUR HARD WORK AND DEDICATION

 

宿泊期間中、フロントの横にメッセージが。事細やかな気配りと医療従事者を行動を持って支えてくれたHOTEL THE FLAGさん。本当に本当に素敵なホテル。2020年7月から再開かと思いきや、9月末までは臨時休業とのこと。これからも、宙飛ぶペンギンプロジェクトは続いていくようで、今後の御活躍も期待しています。次回はプライベートで遊びに行きたいな。大変お世話になり、ありがとうございました。